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あなたの皮膚にもいる菌がアトピー性皮膚炎の原因!? -皮膚常在菌マラセチア-

皮膚常在菌(ひふじょうざいきん)とは、誰の皮膚にも生息している、ありふれた菌のことです。2013年5月に、皮膚常在菌の一種「マラセチア」が、アトピーによる炎症の原因物質を作り出すことが明らかになりました。

更新日: 2013年06月08日

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今、「マラセチア」という菌が話題に。

アトピー性皮膚炎の患者が汗をかくと炎症を引き起こすことについて、広島大大学院の秀道広(ひでみちひろ)教授(皮膚科学)らの研究グループは6日、人間の皮膚に存在するカビが作り出すたんぱく質が原因であると発表した。

真ん中に見えている球形の細胞が、「酵母態」のマラセチア。主に左下に見えている糸状の構造が、「菌糸態」のマラセチア。
つまり、マラセチアは菌糸を持つ点で「カビ」でもあり、単細胞生物である点で「酵母」でもある生き物。
同じ皮膚常在菌の「カンジダ」も、このような性質(二型性)を持っています。

汗がアレルギーを引き起こすことは分かっていたが、具体的にどの物質が原因かは分かっていなかった。

今回の研究で、MGL-1304とよばれているタンパク質が原因であることが明らかになりました。

作り出されたたんぱく質は、ごく微量でもアレルギー反応を引き起こすという。

近年、「アトピー性皮膚炎と真菌」の問題が論ぜられ、アトピー性皮膚炎の悪化因子として、とくに真菌が注目されています。

2007年の記事より。このように、以前から真菌(「カビ」や「酵母」)とアトピーとの関係は示唆されていたのですが、今回の研究でその「原因物質」の特定に至りました。

マラセチアはどこにいるの?

誰の皮膚の表面にも存在している、ごくありふれたものです。

誰もが持っているものなので、うつしたとかうつされたとかはない。

毛穴の奥にある皮脂腺から出る皮脂を食べ、生息しています。

広島大の研究で取り上げられたマラセチア・グロボサの近縁種。フルフルの方がグロボサより有名かも?ちなみにフルフル (furfur) は「フケの」という意味で、フケの原因になる菌として知られる。

「おとなしい隣人」。でも、ふえすぎると問題に。

脂質や湿度のある場所をとても好み、その適した環境になると栄養分をたくさん取り入れどんどん増殖していきます。

酵母態のマラセチアは、写真中央のように、大きい細胞から小さい細胞が生じて増殖します(出芽)。

多くの医師および研究者は、酵母(マラセチア)に対する免疫応答を原因とする炎症がフケ状態を生じさせると考えている。

よく前胸部と上背部に「にきび」様の丘疹が多発している患者さんに遭遇することがありますが、実際は、マラセチアによる毛包炎であることが最近わかってきました。

マラセチアはアトピーだけでなく、皮膚の炎症やフケなどにも関係していることが既に知られていました。

どうやって対処するか?

過労やストレス、睡眠不足、過食、抗生剤、ステロイド剤の使用等によって皮脂が増加するので、これに伴ってマラセチアも増加し、炎症が惹起されやすいと言われています。

しっかり睡眠をとるなど、規則正しい生活を心がけましょう。

マラセチアといったら「脂(あぶら)」を連想してください。マラセチアのエサになる脂の摂取を控えるのがよい対処法です。

外用真菌剤であるケトコナゾールクリーム(ニゾラールクリーム)の併用により著効が得られます。

よく効く薬もあるので、ひどい場合にはお医者さんに相談しましょう。

秀教授は「今後、たんぱく質だけを取り除く製品などを開発することで、患者のアトピー性皮膚炎を和らげることが期待できる」と話している。

今後の研究に期待しましょう!

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